対人援助職が現場でのコミュニケーションを円滑にするために最低限、”設定”しておくべきこととは?

公開日: 2014/04/16 MSW コミュ論 思索 勝手にブックレビュー 読書記録




言語運用の仕方は、何も文章を書くに限らず、現場でも非常に大切なのだと改めて思う今日この頃です。


5W1Hがはっきりしない話の展開の仕方とか、主観的事実と客観的事実が混同していたりすると、相手の「理解のハードル・ストレス」を高めることになるので、コミュニケーション・コストが非常にかかって仕方がなくなります。これを現場でやってしまうと、「余計な仕事」を自分で増やしてしまうことになるのです。それは非常に非生産的で、もったいないことです。



現場に入ったばかりの新人さんとか、上記のような言語運用の仕方からトレーニング不足で抜け出せない人にとっては、現場のアセスメントシートは有用なのではと思っています。それは、書くことで、外部化され、可視化されるからです。


現場で話をするときは、極力、ストーリーを削ぎ落とし、「論点」は、文字数を少なくして、”理解の振れ幅が少ない、つまりは誤解を生む可能性の低い言葉”を選ぶようにするとよいと思います。それを意識するだけで、
相手の「理解のハードル・ストレス」を下げることができるからです。


含意をもたせるコミュニケーションを現場でやったら、「コミュニケーションの結果として、相手にどうしてほしいか」というゴールに到達するのにかかるコストは、無駄に高くなります。根拠のあるコミュニケーション・ゴールと、クリアな言語運用、これが大切だと思うわけです。


コミュニケーション・ゴールの設定は、相手の現状(A)から移動してほしい未来の状況(B)に、どうしたら動いてもらえるかを考えることからはじまります。

なんとなくスタートするコミュニケーションは、達成すべきゴールの存在する”現場”では、多くのムダを生むように思うのです。(ゴール設定のない井戸端会議的会話ならよいのですが。)


コミュニケーション・ゴールの設定=相手の現状(A)から移動してほしい未来の状況(B)に、どうしたら動いてもらえるかを考える。そのように考えると、その過程で生じている(もしくは生じるであろう)弊害を想定し、それを回避したり、もしくはより効果的なアプローチを考えることができるのです。



そのように考えると、相手との間にコンフリクトを生むことは本当に少なくなります。
というのは、齟齬が極力少なくなり、かつ、起こりうるコンフリクトを想定し回避できますし、もしくは他のアプローチを取れるからです。


「アイツはなんでわかってくれないんだ!」と現場で感じる時こそ、無駄なコミュニケーション・コストを削ぐトレーニングのチャンスです!!


自分のコミュニケーション・ゴールの設定(相手の現状→相手に望む未来の状況)と、そのプロセスを再考することで、自身のコミュニケーション・パターンは増えていきます。
その積み重ねで、コミュニケーション・ゴールに到達する上での手持ちの札は増えていくのです。


ですから、現場でうまくいかない場面に出会ったとき、全てはトレーニングだと思い、省察すべきだと思う訳です。そういう思考展開が出来れば、いくらだって成長の伸び白を自分で増やしてあげることができますし。



『コミュニケーションは、「相手をどこかに導く」という行為なのです。』





上記、つらつらと述べたことのエッセンスが詰まった一冊。
対人援助職に、おススメの一冊です。


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